薬剤師を辞めたいと思う理由は?知っておきたい5つの対処法も紹介

薬剤師は社会のニーズが高くやりがいのある仕事ですが、嫌なことがあったりミスをしてしまったりすると、「薬剤師を辞めたい」と思うこともあると思います。

しかし、転職はリスクも伴うので勢いで辞めてしまうと後悔する可能性があります。

薬剤師としての転職を成功させるためには、薬剤師転職サイトの活用がおすすめです。

そこでこの記事では、薬剤師の仕事を辞めたいと感じている方に向けて、辞めるべきかの判断基準や辞めたくなった時の対処法を紹介します。「辞めたい」と感じる理由についてもお伝えするので、悩みを解決する際の参考にしてください。

次のようなお悩みを抱える薬剤師の方は必見です。

  • 命に係わる仕事のプレッシャーが重くて薬剤師を辞めたい
  • 薬剤師にならなきゃよかったのかもしれない…
  • 薬剤師を辞めて違う仕事に就く手はある?

詳しく確認しましょう。

「薬剤師を辞めたい」「仕事が辛すぎる」と感じる4つの理由

まずは、どのようなことが原因で薬剤師を辞めたいと思うのか、一般的に多いとされる理由について見ていきましょう。

人間関係が良くないために薬剤師を辞めたい

「上司が気分屋で対応に困る」「職場の雰囲気が合わず居心地が悪い」など、人間関係の悩みが原因で退職を決める薬剤師は多いです。

薬剤師の主な職場である薬局は、限られた空間の場合が多く、上司や同僚との間に悩みやトラブルを抱えても逃げ場がありません。

そうした環境がよりストレスを感じさせてしまい、「転職してしまったほうが楽」「退職しないと問題が解決しない」と考えてしまう薬剤師は多くいます。

仕事量が多いと薬剤師を辞めたいと感じる

「残業が多い」「業務量に偏りがある」など、過酷な労働環境によって心身が疲れてしまい、薬剤師を辞めたくなってしまう場合もあります。

特に、不当な長時間労働を強要させられるブラック薬局と呼ばれるような職場では、有給休暇も取得しにくく身体的・精神的にますます負担がかかってしまいます。

労働条件への不満を申し出るなど、交渉次第では状況の改善も見込めますが、会社の方針を変えるというのは容易ではなく時間がかかるケースも多いです。ストレスを最小限に抑えるなら、新しい職場へ転職したほうが良いかもしれません。

ミスをしてしまったことで薬剤師を辞めたいと感じる

新人薬剤師のなかには、「薬を間違って渡してしまった」「確認不足で患者さんを怒らせてしまった」といったミスが原因で「薬剤師に向いていない」と感じてしまうことも多いです。

失敗は誰でもするものですが、人の命を預かる薬剤師という職業柄、調剤過誤のようなミスは本来あってはなりません。

そのことを理解している人ほど、「失敗してしまった」というショックを抱えてしまったり、「ミスを冒せない」とプレッシャーを感じてしまったりして、薬剤師という職業を離れてしまう人もいます。

給与が低いと薬剤師を辞めたい

そもそもの給与が低かったり昇給のチャンスがなかったりと、給与に対する不満から退職・転職を決める方は薬剤師に限らず多くいます。

薬剤師の場合、「スタッフ間で納得できない給与格差がある」「同じ業務をしているのに職場によって給与に差がある」など、他の職場やスタッフに比べて給与が低いことでモチベーションが低下してしまうこともあります。

また、役職自体が少ない調剤薬局では、「今の職場で働き続けてもポストが空かず昇給が見込めない」と見切りをつけて転職するケースも少なくないようです。

薬剤師を辞めるべきかの判断基準とは?辞めたほうがいいケースもある

仕事や職場へのストレスから「薬剤師として働きたくない」「薬剤師にならなきゃよかった」などと、薬剤師自体を辞めたくなってしまうこともあると思います。

しかし、一時の気持ちで辞めてしまうのはおすすめできません。どんな問題を抱えているかにもよりますが、なかには薬剤師を辞めずに問題が解決するケースもあるからです。

大切なのは、一度立ち止まって「本当に薬剤師を辞めるべきか」考えてみることです。

ここでは、そのための判断基準として、「薬剤師を辞めたほうが良いケース」と「薬剤師を辞めたほうが良いケース」を紹介します。

薬剤師を辞めないほうが良いケース

  • 辞めたい理由が「転職」や「異動」で解決できる可能性がある
  • 薬剤師の仕事内容を「おもしろい」と思うことがある
  • やりたいことがない、かつ今の待遇や労働環境への不満はない

辞めたい理由が「給料が低い」「残業が多い」「人間関係が良くない」という場合、問題は薬剤師という職業そのものではなく、現在働いている職場にあることがほとんどです。そのため、薬剤師を辞めずに転職や異動をすることで悩みの解決につながる可能性は十分にあるでしょう。

また、調剤業務などをしていて少しでも「おもしろい」と感じるなら、このタイミングでの異業種への転職は避けたほうが無難です。興味がまったくない仕事を続けるのは苦痛ですが、薬剤師の仕事をまだ「好き」と思えるなら、継続するうちに仕事にやりがいを見出せるかもしれません。

自分自身に特別にやりたいことがあるわけではなく、かつ「十分にお給料がもらえている」「休みが取りやすい」など、給与や待遇に不満がない場合も、今の仕事を続けることをおすすめします。

今の職場の水準が高いと、転職先に求める条件も多くなりがちです。「以前の職場は恵まれていたのかも…」と転職後に後悔しないよう、まずは今の環境でできることを考えてみましょう。

薬剤師を辞めたほうが良いケース

  • 心身に影響が出ている
  • 業務に興味や関心がない
  • やりたいことが決まっていて今の職場ではできそうにない

「食欲がない」「気分の落ち込みが激しい」など、ストレスから心身に影響が出てしまっている場合は、なるべく早く辞めたほうが良いでしょう。自分の身を守ることを最優先に行動してください。

「調剤業務にまったく関心が持てない」「薬剤師の仕事が向いていなかった」という場合は、異業種への転職を考えても良いかもしれません。製薬会社や化粧品メーカーなど、病院や調剤薬局の他にも薬剤師の資格・経験を活かせる職場はあります。

また、既にやりたいことが決まっていて今の職場ではできそうにない場合も、薬剤師を辞めるタイミングと言えるでしょう。

薬剤師を辞めたいと感じた時に試してほしい5つの対処法

ここからは、薬剤師を辞めたいと思っている方に向けて5つの対処法を紹介します。

1.自分の気持ちを整理する

まずは、「なぜ薬剤師を辞めたいのか」「なぜ転職したいのか」を考えてみましょう。

「辞めたい」「辛い」という気持ちを紐解く作業をすることで、仕事を辞めたい気持ちが一時の感情なのか、理由あるものなのかが見えてくるはずです。

この時、可能なら紙とペンを用意して、辛いことや不満など辞めたいと思う理由を感情のままに書き出してみてください。そして、書き出したことを嫌な気持ちが強い順に並べてみましょう。

漠然とした思いも文字にすることで頭の中が整理できます。何に対するストレスなのかが分かれば、解決策も見つけやすくなります。

2.退職や転職で解決する問題か考える

「辞めたい」と感じる原因がわかったら解決方法を考えてみましょう。

以下のように、問題の内容によっては退職や転職をせずに解決する場合もあります。

悩み 解決法
人間関係が良くない ・異動願を提出する
・上司に相談する
業務量が多く疲れがとれない ・休職する
・有給休暇を取得する
プライベートの時間が持てない ・有給休暇を取得する
・雇用形態を変える

3.信頼できる人に相談する

悩みや不満をひとりで抱えているなら、信頼できる人に相談してみましょう。家族や友人に気持ちを打ち明けることで考えが整理されて、客観的に自分を見つめられるケースも多いです。

また、薬剤師として働く同期や同僚に話を聞いてみるのもおすすめです。同じ悩みを持っていたり似た経験をしていたりと、思いがけない解決の糸口が見つかるかもしれません。

今の職場に信頼できる上司がいるのであれば、直接悩みを相談してみるのも良いでしょう。「退職されるくらいなら」と上司が解決法を提案してくれる可能性もあります。

4.思い切って休暇を取る

「薬剤師に向いていない」「薬剤師にならなきゃ良かった」という気持ちでいっぱいになっているときは、心身ともに疲れてしまっているのかもしれません。

休める環境であれば有給休暇を取得して、リフレッシュする時間を作りましょう。一度思い切って仕事から離れてみることで心身を休めることができるので、冷静さが取り戻せるはずです。

気分転換をした後にもう一度自分の気持ちと向き合えば、休む前よりも前向きに今後のことを考えられるようになるでしょう。

5.将来どうなっていたいかを考える

どうしても今の職場で問題が解決できない場合は、転職を視野に入れた行動が必要になってきます。

そこで重要なのが、将来のキャリアプランやライフプランを考えることです。

キャリアプランは、まず「管理職になりたい」「専門性を高めたい」というように将来どんな自分になりたいかを考えます。そうしてイメージした将来像から逆算をして「そのためにどんなキャリアが必要か」を考えることで、「今、転職をすべきかどうか」が判断しやすくなるでしょう。

ライフプランはこの先10年ほどのことを考えてみましょう。

薬剤師の男女比は、男性が約4割、女性が約6割と言われていますが、女性薬剤師の場合、結婚や出産などを機に転職する人が少なくありません。

あらかじめ「有給休暇が取りやすい」「時短勤務が可能」など、柔軟に働ける職場に入職できれば、何度も転職を繰り返すこともないでしょう。

転職するか迷ったら転職サイト・転職エージェントへの相談がおすすめ

「薬剤師を辞めたい」「転職する・しないが決められない」という場合は、薬剤師向けの転職サイトや転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。

転職サイトに登録すると、求人情報の閲覧・紹介だけでなく、専門家への相談も無料でできます。

以下のようにキャリアや異業種・異職種に関する質問にも答えてもらえるので、退職・転職で困っていることがあればぜひ利用してみましょう。

  • 「薬剤師を辞めて違う仕事がしたい」
  • 「薬剤師の資格でできる仕事について知りたい」
  • 「薬剤師経験を活かせる仕事や企業の求人が見たい」

また、薬剤師の転職市場がどのような点で厳しいか、薬剤師の転職に多い失敗談など、参考になる話も聞けるでしょう。

薬剤師を辞めたいと感じる原因についてしっかり考えることが大切

職場環境の良し悪しは働くうえでの重要なポイントです。特に多くの薬剤師が働く薬局は狭い空間であることが多いので、職場にストレスを抱えたままでは、仕事への集中力やモチベーションも下がって当然です。

薬剤師を辞めたいと感じたら、その問題が薬剤師という職業にあるか、今の職場にあるかしっかり考えてみてください。

ひとりでの解決が難しければ、転職支援サービスを利用してアドバイザーに相談してみるのもおすすめです。専門家の意見も参考にして、問題解決のために慎重に行動していきましょう。

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